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2008年 9月 6日 福島県 予言の渓
メンバー:怪長(L)、モグラ@見習い、モグラ2号@見習い
文&写真:モグラ@見習い
編  集:銭無

 昨年5月、怪長と副怪長と常無にアシストしてもらった【予言の黒板】の渓。雪渓に阻まれて、最後の滝までたどり着けなかった。今回、どこに行くか怪長にたずねると、「昨年のリベンジをしないか?」と言われた。そう言われればたしかに滝が見たい。みごとな滝だと聞いている。遠くから上のほうだけちょろっと見た。全景が見たい。怪長のこの提案に私もモグラ2号も飛びついた。(しかし怪長の心の中には別の思惑があったのでした。このときの私は知る由もなく・・・)

 金曜の夜、10時過ぎに出発した。9月に入って最初の土曜。きっと釣りをする人も多いだろうと、場所取りをするために、早めに出発。道路も順調、予定していた時刻に車止めに着いた。まだ誰も来ていない。これでこの渓は私達が入れる。しばらく仮眠をして、身支度をした。
 9月とはいえまだアブが飛んでいる。前回と同じ斜面を降りていく。今日は本流の水が少ない。このまま本流を横切ってしまう。そこから上に巻いて、予言の渓についた。本流の水も少なかったが、渓の水も少ない。やはり9月だからだろうか?歩いていても楽だ。


 怪長が竿を出すと後ろで待ちながら、モグラ2号は餌取りに精を出す。水が少ないおかげで、昨年巻いたようなところでも水の中を歩けてしまう。しばらくぶりの渓だか、歩きは楽だ。いつも怪長のペース(それでも他のメンバーのときよりはゆっくり歩いてくれている)に遅れてしまい、注意されるが、今回はそれがない。一度注意されたのはモグラ2号が餌取りに熱中しすぎて、逆に怪長を待たせてしまった時だ。それからはうまく餌取りをしながら、歩いていた。
 天気はだんだん良くなってきた。晴れすぎているわけでもなく寒くもなく、歩きやすい天気だ。何回目かの竿出しのときに怪長が釣り上げた。しかしリリースサイズ。「今日は魚に食い気がない。餌が見えているのに食いついてこない。」っと言っていた。それでも4匹釣り上げた。その中の1匹はとてもみごとな斑点が入ったきれいな岩魚だった。
両岸がへつれそうもない場所にきました。二人でここから巻くように指示されました。二人で登っていると
「あまり高く登り過ぎないように」
っと指示。降りる場所を探していると、
「そこから降りられないか?」
っと怪長。
「無理みたいですぅ!」
っと答えて更に登ろうと・・・
少し進むともっと降りられそうにない。しかしここからでは下の様子がわからない。「戻ろう。」二人で戻って、さっき怪長が声をかけてくれたところから、降りることにした。下から怪長が「もっと右に寄れ」「左の枝を掴め」など指示してくれました。無事に二人が降り立つと、怪長からお叱りが・・・。

この崖を見てごらん。これ以上先に進んでいたらもっと急になっていて降りるところなんかないでしょう。
なぜ最初に降りるように声をかけたところですぐに降りてこなかったの?ちゃんと安全なところで声をかけてるのに。」
「すみません。下の様子はわからなかったし、上からみたらかなり急に見えたから・・・」
「ちゃんとリーダーの指示には従う様に!」「はい・・・(T_T)」


 さらに進むと・・・。大きな岩が渓をふさいでいるようなところに出た。
左岸から登ったほうがよさそうだが、足がかかるところがない。怪長がショルダーしてくれて登った。もちろん怪長は一人で登ってました。しばらく順調に進んでいました。

 そしてF1と呼べる滝。前回ロープを張ってもらって登った滝。別名怪長の【イリュージョン(痔)の滝】に着いた。今回は怪長が上からザイルを下ろしてくれて、ハーネスにザイルをつけて一人ずつ登った。最初にモグラ2号。自分で手の位置と足の位置を確認しながら登っていく。ゆっくりだが、すべることなく制覇。おちつきのないやつだが、慎重にならなくてはいけないときに、慎重になれるようになったと思う。これも渓での経験が大きいと思う。(^-^)
 次は私だ。階段状になっているから楽かと思いきや、足場のなくなる場所がある。そこはなだらかなコケのはえた滝の斜面を利用しなくてはならない。ほんの少しの窪みがありがたい。なんとか制覇(^o^)

 そして先へ進んでいくと、なにやらおおきな鳥が・・・。

「鳥だ〜〜〜!」
と、怪長が叫ぶ。

「鳥なんてこんなところにいるのですか?」
しかし鳥は飛んでいってしまい、私は姿を見ていない。しばらく進むとまた先ほどの鳥がいた。飛んでいく姿を見たがものすごく大きい。カラスなんて目じゃない。倍くらいの大きさがある。どっちにしてもこんな鳥が渓にいたのでは魚が食べられてしまう。怪長もいままでここでこんな鳥を見たことがないと言っていた。

 6時に渓に入って歩いてきたのだが、怪長が12時に滝につければよい。と、言ってくれた。滝の手前の二股に分かれたところに着いた。ここにリュックをおろして、滝まで身軽で歩いた。小さい滝を登って、右に曲がって、左に曲がる。

「見えた〜〜〜!」「滝だ〜〜〜!」
みごとなまでの大きな滝です。すごい上から落ちてきている。それにすごい水量です。あんな高いところにこんなに豊富な水がある。なんて不思議なんでしょう。記念撮影をして、先ほどの二股に分かれているところに戻って昼食です。時間は11時30分。まずまずのペースで歩けました。
「帰りは3時間かかるとして、ここを1時に出発すれば大丈夫だな」
さりげなく予定を伝えてくれる。コンロを出して、早速ラーメンの準備。モグラ2号は小さいカップ麺を2種類買ってきていた。「うどん」と「ラーメン」両方が食べたかったらしい。私も小さいカップうどんにした。量的には大きいのでも問題ないのだが、汁を飲みきるために小さいものにした。うどんが出来るまでの間、おにぎりを食べて待つ。怪長がさっさと食べて竿を持って枝沢のほうへ行った。私とモグラ2号はゆっくり食事をしながら、アブと闘い、水に入って遊び、またアブと闘う・・・を繰り返していた。怪長がなかなか戻らないが1時出発と聞いていたので、1時までアブと闘いながら待っていた。
なにか遠くで雷のような音がした。
「ねぇ、今雷ならなかった?」  「ん?そう?」
川の中で遊びまくっているモグラ2号には聞こえなかったらしい。1時になるちょっと前に怪長が戻ってきた。1匹釣り上げたようだ。
「なんか雷が鳴ったような気がするんだけど・・・」  「うん、鳴ってたね。」

 帰りは釣りがない分ペースが速い。ちょっとぐずぐずしてると置いていかれる。必死に歩いて、なんとか怪長に追いつく。行きに頑張って登ったようなところでも、帰りは水に入ってしまえば楽に降りられる。モグラ2号など泳げるものだから喜んでいる。怪長にラッコ泳法を教わって、少しでも水があると歩かずにラッコをしていた。私も平泳ぎで泳いでいたのだが、リュックが浮いて後ろ頭に突き刺さってくる。それに足も浮いてしまうので、泳ぎづらい。必要なところ以外は泳がないことにした。
 行きにザイルをつけた滝まで戻ってきた。またザイルをつけてもらい、一人ずつ降りる。降りるほうが、登るより怖い。これは初めて渓に行ったときに感じたことで、いまでも変わらない。より慎重に降りる。二人とも無事に降りられた。

 雨が降ってきた。少し急がないとやばいかな?っと一人心のなかで思っていた。なぜなら、どうしても歩く速度は私が一番遅いのである。昨年はモグラ2号の方が遅かったような気がしたのだが、今日は私の方が遅い。この1年で体力が逆転してしまったのだろう。なさけない・・・。雨が少し強くなった。私は内心あせっていた。しかし怪長は全然平気で

「ここで小休止しようか」
雨はあいかわらずだし、雷は鳴っているが、怪長が別にあせっていないなら私があせる必要はないな、っと気持ちを切り替えて、二人の歩きのペースに遅れないことに集中することにした。モグラ2号は休憩に入ると、座って休まずに、川に入って遊んでいる。

「休憩のときは、きちんと休まないとだめだぞ。」
「ここまでくればあと1時間くらいで着けるかな」

怪長が教えてくれた。 あと1時間か〜〜〜。 行きはものすごく楽に歩いていたのだが、帰りは足が痛い。太ももがかなり疲労しているのがわかる。足がなんか自分でももつれているような感覚がある。それでも頑張ろう。そういえば・・・昨年はよく『疲れた〜。』とか『まだ〜着かない?』とか頻繁に言っていたモグラ2号だったが、今回は一回も言ってない。やっぱり成長しているのですね。(親バカ爆)(^^;)

 行きに見たことないような岩が迫って細い洞窟のような感じのことろに着いた。
「ここは水量が多いから泳いでしまうように。」
「は〜〜〜い。」
しかしこんなところあったかいな?怪長、モグラ2号、私と泳いで、出たところは・・・


「あっ、」本流の前じゃん」「なんだここだったんだ〜」
「えっ?だって1時間たってないよ、30分くらいだよ。」

「30分って聞くより1時間って聞いてたほうが頑張れたでしょ。ここまで(^_-)」


確かに・・・あと50分・あと40分って思いながら歩いていたら着いてしまったのですもの。あっという間に着いたって感じです。それにしても行きに巻いてしまった場所だから最後の泳いだ場所は見覚えなかったのか〜。本流を渡って、無事車止めに着きました。ここまで来てやっと無事に遡行が終わりました。怪長、ありがとうございました。もぐら2号お疲れ様でした。今回も無事終了してみれば、満足感でいっぱい。達成感も充分です。毎回この感じが楽しくて渓に入るのかもしれない。もちろん渓の自然に身を置けるということが第一条件ですけどね♪

 帰りに怪長が
「今日の遡行は試験だった。」
と教えてくれました。
試験に合格すると正怪員になれるそうです。そんなこととは全然知らなかった私とモグラ2号。そして今日の結果は合格だそうです。

やった〜〜〜♪\(^O^)/♪

へつりや巻きなどまだまだだそうですが、なんとか歩けるようになったそうです。これもみんな怪長はじめ、副怪長、常無、銭無のおかげです。皆様ありがとうございました。

 宿について、宿のご主人に「鳥」の話をしましたら、あれは青鷺だそうです。なんか巣があるらしいのです。でも岩魚はすばしっこいので食べられないそうですが、里にいる鯉などは食べられてるそうです。自然の形態の乱れがこんな山の中にまで進んできてしまっているのでしょうか?自然を守るということは本当に大変なことなんだと、感じました。


2008.9.6(土)